(2016年次大会レポート)『全員経営』の組織開発力を自力で成長させる | OD Network Japan

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(2016年次大会レポート)『全員経営』の組織開発力を自力で成長させる

大会企画 F-2

  • 『全員経営』の組織開発力を自力で成長させる:オフサイトミーティングの活用・プロセスデザインの自走化
    • 秋田敬介、脇屋美和(ヤマトフィナンシャル株式会社)
    • 2016年7月31日(日) 12:30-13:45

2016年次大会「組織イノベーション」概要はこちらから。
プログラムの詳細はAdobe_PDF_file_icon_24x24年次大会パンフレット(PDF, 30MB)をご覧ください。

レポート

ヤマト運輸は1919年に創業し、1923年には三越百貨店と商品配送の契約を締結。1976年に宅急便の事業を開始。その後、2005年に持株会社制に移行し、ヤマトホールディングスが設立された。2019年の100周年記念に向けて「アジアNo.1の流通・生活支援ソリューションプロバイダー」になることを目標に掲げている。ヤマトでは経営理念が浸透していないのではないかとの危惧から、まず、ホールディングスからオフサイトミーティングを導入。その後、2013年にフィナンシャルでも社長が発起人となって開始。このフィナンシャルにおける実例を紹介する。

当時、本社内、支店間にも壁があり、意思疎通が不十分であった。そして、顧客のニーズが刻々と変化し、支払手段・場所の多様化が顕著になり、競合も増え「業態変革」が迫られていた。当初、経営層から始めたオフサイトは、中堅社員、若手社員に広げた。通常の会議では立場があり自由に発言しにくく、言っては成らない事もある。after 5では本音が出てもその場限り。オフサイトでは会議で言っては成らないことも発言して、不完全な内容でもテーマにして完成に向けて議論。参加者は8~10名、全員私服で机なし椅子だけでまるくなって行なう。最初から、あるべき姿の議論ではなく、まず、それを議論するための土壌創りから始めた。

1年目は社長以下、経営層が集まり、ありたい姿を考えるために相互理解を深め、本当のあるべき姿の叩き台を作った。自分の人生を振り返って開示する”ジブンガタリ”と、仕事に関するもやもやを語る”オモイガタリ”を実施。普段の会議で言えない事や仕事に関する悩みを丁寧に聴く。お互いに悩んでいることが分かり、何でも言える関係性作りができた。 2年目は本社、支店でオフサイトを実施。テーマは全員経営の実現による戦略・課題形成。経営幹部、課長層の課題が近いコトが分かり、成長戦略を作成できた。3年目は自走化に向けて実務者レベルでオフサイトを開始して変革を進化した。数が増えたオフサイトに対応するためオフサイトコーディネーターの養成を開始。月1回のコーディネーター会議で問題点を抽出し、各自のプロセスデザイン力を磨く。 4年目は自走化力UPと全員経営の推進を行い、自分のキャリア形成を推進し、女性社員の採用も始めた。オンの会議にも繋げることができ、社内がきれいで働きやすい環境となった。また、勉強の機会としてYFCカレッジも設立、「美しく進化。」その結果、本社に家族を呼ぶこともでき、マナーや挨拶、トイレの表示等が改善された。

現在、オフサイトコーディネーターは10名。それぞれ立場や年齢が違い、バックグラウンドが多様で、全社共通の課題が分かる環境になっている。

オフサイトが浸透した理由としては、1.強力なスポンサーシップ(社長から開始、経営幹部も体験)、2.コーディネーター制度(認定による社内での認知度向上)、3.社員の向上心、4.環境(社内情報共有ツールの知恵ッターの活用。全社員をオフサイトの対象としたこと。オフサイトの内容を報告をこまめに実施することなど)がある。

現状の課題としては、1.オンとオフの差(理解を得にくいヒト達がいる)、2.時間(次の手を打たないと中途半端に終わってしまうこと)、3.メンバー選定(選ばれない社員の動機が下がる)、4.議論の質(発散だけで終了してしまうことも)がある。

「今ある前提や既存のやり方を超えて新しい価値を生み出す」状態まで社員の関係性を高め、永続的に続けていくことで、スポンサーが変っても対応できる体制にすること、そしてそのために、小さな事でも成功例を出し続け、ポジションに関わらず一人ひとりの成長が実感できる環境を作り、「文化形成」から「文化定着」を目指していきます。

レポート作成:下村拓滋(広報委員)

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