組織開発の現場で「関係性の質」という言葉を聞かない日はありません。
しかし――そもそも「関係」とは何でしょうか?
多くの実践者は「関係性を良くする」「対話を促進する」と言葉にしながらも、
その根底にある“人と人との向き合い方”を深く問い直す機会は多くありません。
第15回ゲシュタルト療法研究部会では、哲学者マルティン・ブーバーの代表作『我と汝(I and Thou)』をテーマに、「対話」や「関係性」の本質を探求します。
ブーバーはこの世界を「我‐汝」と「我‐それ」という二つの関係で成り立つと説きました。
人を“対象(それ)”として扱うのではなく、“汝”として全存在で出会うとき、はじめて本当の「対話」が生まれる――この思想は、ゲシュタルト療法の基盤でもあります。
セミナー概要
現代の組織開発において、対話型アプローチは欠かせません。しかし、「会話」と「対話」はまったく異なるものです。表面的な情報交換ではなく、“自分の内側に起きる変化”を伴う関わり――それが「対話的関係(我と汝)」の核心です。
今回のセミナーでは、宗教哲学から心理療法まで幅広い領域で影響を与えたブーバーの思想を手がかりに、組織開発・人材開発における「関係性」や「接触境界」を再考します。
このセミナーで得られる3つの学び
- 1.「対話」と「会話」の違いを体感的に理解する
日常の関わりにおける“我‐それ”の関係と、“我‐汝”の関係を解説します。
相手と向き合うとき、自分の内側で何が起きているのか。 その気づきが、対話の質を変える出発点になります。 - 2.「関係性の質」を生む構造を理論的に理解する
なぜゲシュタルト療法では「クライアントを分析しない」のか。
ブーバーの思想を通して、評価や分析ではなく“存在として出会う”ことの意味を学びます。 この理解は、ファシリテーションやコーチング、1on1などの現場にも直結します。 - 3.「組織開発における「我と汝」の応用を探る
OD実践者・コンサルタント・リーダーとして、 クライアントやチームとどのように“我と汝”の関係を築けるのかを考察します。
分析中心の組織開発から、“存在を通じた関係性開発”へ―― その転換のヒントを得られます。
こんな方におすすめです
- 「関係性の質」を高めたいが、どう扱えばよいか模索しているOD実践者
- 組織の“対話文化”をつくりたい経営者・人事担当者
- クライアントとの距離感や関係構築に悩んでいるコンサルタント・ファシリテーター
- 「分析すること」と「つながること」のあいだで揺れている方
主なトピック
- 「対話」と「会話」の違い
- 組織開発における「我と汝」関係の意味
- ブーバーの思想がゲシュタルト療法に与えた影響
- 「関係性対話」の実践とその効果
- 相手を“分析しない”関わり方の意義
- 自分への気づきが対話を生むメカニズム
本セミナーは、哲学的な理論をただ学ぶ場ではありません。
“自分と他者のあいだ”で何が起きているのかを体験的に探求し、「関係とは何か」「対話とは何か」を再定義する機会です。
組織開発・人材開発に携わるすべての方にとって、日常の関わり方を根底から問い直す、深い学びの時間となるでしょう。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
※本セミナーは、前回までの内容を踏まえつつ構成されていますが、初めての方でも十分に理解し、実践できる内容となっています。実践できる内容となっておりますので、奮ってご参加ください。
チケットについて
チケットはリアルでの会場参加、オンラインでのカメラオン参加、オンライン聞くのみor録画視聴の3種類がございます。ご希望に合わせてお選びください。
ディスカッション、質問などは、リアル及びオンラインカメラオン参加の方までとなります。(質問がカメラオンの方までを対象としているのは、質問内容についてこちらからお聞きすることがあるからです。)
申し込まれた全ての方に、後日録画したものを編集してお送りします。ただし、デモワークについては本人の希望によりカットされる場合がございますので、ご了承ください。
開催日
2025年12月10日(水)19:30-21:30
開催場所※移転したため以前とは住所が違います
東京代々木
企画経営アカデミーセミナールーム
東京都渋谷区千駄ヶ谷4−3−1 シャロン・ド・シャポービル603
北参道駅から徒歩1分、代々木駅から徒歩6分の場所です。
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「ODNJゲシュタルト療法研究会について」
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研究会の目的
OD実践者としてUse of Selfを実践できるようになり、ファシリテーション能力を向上させること
ファシリテーター
大槻貴志
- 企画経営アカデミー株式会社 代表取締役
- ゲシュタルト療法士
- ゲシュタルト療法学会元評議員
早稲田大学卒業後、キヤノンに入社。キヤノンでは経営人材育成コースに配属され、リーダーシップ及び組織開発の基礎をたたき込まれる。
キヤノン退社後、新規事業の中毒者として、数多くの新規事業の立上げと失敗を経験し、事業成功には営利性ではなく、人間性中心のアプローチが必要だということに気づく。より深く、人間心理のメカニズムを学ぶために、交流分析、再決断療法、ゲシュタルト療法と数多くの心理療法のトレーニングを受ける。
得られた知見を元に、新規事業における書籍「社内新規事業コンパス――イノベーションを起こすための[リレーショナルスタートアップ]の技法」を出版。
組織開発コンサルタントとしては、社員の無用なストレスを無くすことをミッションとして、組織のウェルビーイング向上の働きかけを大企業から中小企業まで行っている。
現在はゲシュタルト療法の探求をさらに進める一方で、ビジネスとどう融合させるか、日夜研究中。
スーパーバイザー
ゲシュタルトネットワークジャパン代表理事
百武 正嗣
対象となる方
- 社内における組織の問題を解決したいと思っている方、している方
- 組織開発コンサルタントとしての仕事をされている方
- 組織開発のトレーニングを受けたことがある方
- ゲシュタルト療法を組織開発にどう応用するのか、ディスカッションする時間などありますので、組織開発に関する最低限の知識と経験は必要となります。
期待される学び
- Use of Selfについて
- ファシリテーターとしてのあり方
- 行き詰まり(インパス)の解決
- 人や組織が「変容する」プロセス
参加条件
- ODNJ会員
- ODNJ入会を検討している外部の方(事前にteams@odnj.orgへご連絡ください)
参加費用(各回)
会員)1,000円
一般)1,200円(ODNJに入会を検討されている方)
開催方式
ハイブリッド(リアル&オンライン)
ワークなどはリアル参加者のみとなりますので、できる限りリアルでの参加をおすすめします。
