登壇者:日向野幹也(立教大学 経営学部 教授)
日 時:8月30日(土) 13:00〜14:30
場 所:D302号室

講演内容

他の学部と違いのない入試によって学生を受け入れ、なおかつ毎年構成員の1/4弱が入れ替わる組織でもある大学の一つの学部において、短期間に独自の組織文化を形成することは一般には困難である。しかし立教大学経営学部は、学部スタート時点の2006年から個人の学習目標の柱をリーダーシップ開発に定め、教育手法の一つとしてアクション・ラーニングやプロジェクト型学習を採用し、ウェルカムキャンプ開催などさまざまな工夫を凝らすことによって、わずかな期間で他学部・他大学とは異なるユニークな組織文化を開花させている。学習目標とされるリーダーシップは、権限・役職・カリスマのいずれとも関係のない世界標準のリーダーシップであり、キャリア教育的か価値と、アクティブラーニングの準備としての価値をもつスキルである。この学部では学生のリーダーシップは、活性化したゼミや、学部改善のための学生からの提案や学部を支援する学生団体の隆盛に現れている。また、アクション・ラーニング(注意:アクティブラーニングとは全く別)は、質問によるリーダーシップスキルのような人材開発の機能と同時に、組織メンバーの関係性を改善し相互フィードバックを通じた学習を促す働きがあって、経営学部はこの働きをも活用してきた。プレゼンテーションでは、学部開設時から陣頭にたってプログラムを統括してきた責任者が、学生や卒業生とともに、自分たちの経験を、なるべく他大学・他機関にも転用可能な程度に一般的な形で総括する。

登壇者情報

東京大学経済学部卒業、同大学院社会科学研究科博士課程修了、経済学博士(東京大学)。東京都立大学経済学部教授を経て、2005年立教大学教授。専攻を金融論からリーダーシップ開発に転換し、翌年から開設された経営学部におけるコアプログラムBLPを最初から担当し統括。経営学部を国内随一の学部リーダーシップ教育拠点に育て上げ、2013年には全学を対象とするGLPを発足させた。
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