グローバル化と呼ばれるように、地政学的変化に伴う経済制度の変化が急速に進み、地球全体があたかも一つのビジネス市場であるかのように多種多様な企業が世界規模で競争しつつあります。さらにデジタル技術革新による急激な産業構造の変化は、製品やビジネスモデルの革新にとどまらず、それらを前提にした組織マネジメントにも変革が及んでいます。特にデジタル情報技術革新は、組織内外の情報・知識の活用方法から組織をマネジメントする方法まで変えつつあります。これらグローバル化やデジタル技術革新は、人々の生き方や働く意味といった社会的価値観にも影響を及ぼし、それが更なるビジネス市場や技術変化の引き金となり、誰にも展望の難しい状況を生み出しています。
また日本においては少子高齢化による労働人口の急速な減少に対して、海外労働力の安易な移入で対応するのではなく、いまある人々の能力向上に働きかけて、広く組織や社会の生産性を高める工夫や努力こそが、持続的自立的な方策として求められてきました。
このように劇的な変革が求められる状況においてODは、人や組織や社会に有効な対応方法をリサーチと実践で積み重ねてきた歴史があります。とりわけ人や組織に働きかけて、自己認識と変革実践の学習を通して自立変革能力を獲得させる点で有効なため、50年代以降、世界で広く応用されてきた変革実践です。
日本の教育研究機関では、わずかな例外を除けば80年代以降、機関的な取り組みはほとんどないだけでなく、実務家の諸機関や公的機関においても同様の取り組みがほとんどありません。歴史的な背景はともあれ、海外では一般的に応用される人・組織の変革実践でありながら、日本では変革実践をOD概念の下でリサーチ・応用実践・教育する場は、きわめて限定されているのが現状です。
そこで海外OD知識を早く吸収するだけでなく、国内の変革実践に関する歴史的蓄積の再検討から、日本に同化した変革実践を提案・応用することは、グローバルビジネス環境だけでなく日本の社会的課題に対応するためにも、また広くグローバルな社会文化の生成発展に資するためにも大きな必要性があると考えます。
こうした状況に鑑み、健全な組織の実現を通じた社会の持続的繁栄に貢献することを目的として、プロフェッショナルなOD実践者相互のオープンな交流から研鑽を重ねる真摯なコミュニティとして、この度OD Network Japanを設立いたします。
平成22年2月7日
OD Network Japan設立発起人一同



