(2016年次大会レポート)経営視点で考える組織開発 | OD Network Japan

活動

(2016年次大会レポート)経営視点で考える組織開発

大会企画 F-2

  • 経営視点で考える組織開発 (第1回ODNJエクセレントアワード組織賞2016受賞講演)
    • 本間浩輔(ヤフー株式会社)
    • 2016年7月31日(日) 14:00-15:15

2016年次大会「組織イノベーション」概要はこちらから。
プログラムの詳細はAdobe_PDF_file_icon_24x24年次大会パンフレット(PDF, 30MB)をご覧ください。

レポート

まず、なぜ企業に組織開発が必要なのかということだが、組織の構成要素が「人」と「人との関係である限り、両者に注目し、必要に応じて働きかけるのは当然である。日本人はそもそもクリエイティブ。イノベーションが行われないのは、組織がイノベーティブではないからで、企業が成果主義をきっちりいれればいれるほど、イノベーティブになっていないのではないかとも思う。

経営者の中には、組織がよくなれば業績がよくなるって本当?と疑問をもつ人もいるが、ODで成長できるのならば、企業は喜んでそれを採用する。では、なぜ企業でODがおこなわれないのか?内部リソースに関しては、「ODを理解して実行できる人がいない」「ODができる人はいるが本人が忙しい、支援体制がない」「組織にODを受け入れる素地(理解)がない」などである。外部リソースに関しては、「任せられる人がいない」「タイミングが合わない」「社内手続きにあわない」ということだろう。社内ODはタイミングがすべて。5割くらいの成功要因がタイミングだと思う。フィットしないで失敗すると、その会社は二度とODやらなくなってしまう。「人間が好きです」「コーチングが好きです」「カウンセリングが好きです」という人がODをやってうまくいかない。費用対効果をみせる必要がある。大前提は企業が勝っていくためにODをいれることだ。

ヤフーではマイナスの状態をゼロにする「有事のOD」から入った。効果が見えやすいからである。誰がみてもうまくいっていない、離職率が高いという組織をターゲットにした。そういう組織のトップは「俺はちゃんとしているんだがメンバーが悪い」と認識している場合も多い。とくに「有事のOD」は緊急性がありタイミングが大事なので、社内ODチームをもつことにした。ODの外部協力者は、課題ではなく手法を手法通り実施してワークがうまくいくことに意識がいきがちである。しかし、会社は成果を求めているのであり、「よいOD」を求めているわけではない。離職率を下げるなど効果を見せる必要がある。また、ODはODだけで考えていない。制度や人事異動アセスメントなど、全体像や補完関係を理解したうえで、介入すべきであり、外部協力者はここに対応しにくい。

ヤフーでは組織を活性化させ、パフォーマンスを最大化することがリーダーの仕事ならば、リーダーが組織の開発を支援するのが当然であると考えている。ワークショップや合宿など1回で組織が開発されることはない。ODはまさに「組織文化への水やり」であり、耕して空気を入れて芽が出るようにするという感覚がちょうどよい。社内でできないことを社外に頼めばできるという甘い期待をもたないことも重要。また、インターベンション(介入)はリスクを伴う。一人辞めるかもしないなどのリスクをもちながらという場合もある。ODは総合格闘技。評価から、何からなにまで総合して考える。あえて問題のある人の給与を上げる場合もある。敢えて嘘をつかなければならないところもある。そこまでして組織をよくしていくものである。

ゼロをプラスにする「平時のOD」では、「自分たちの組織がやばい」ということを認識してもらうことが重要。ES調査をしてフィードバックする。ESの高低を言わなくても、のどが渇いてODの必要性を認識してもらえる。最近ではODが社内に広がってきて、社内ODチームは介入型ではなく、介入する人を育てたり、リーダーにODを教える役割を担っている。

レポート作成:渡邊壽美子(広報委員)

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